抗不安薬一気断薬へ
「何となく体調が悪いんです」 …
私はかかりつけの内科医にこう相談した。
いつもの雑談の中この一言が全ての始まりとなってしまった。
事故に遭い心身共に疲れていた私に、かかりつけの内科医は精神安定剤としてバランスという名前の小さな白い錠剤を処方してくれた。
何も知らなかった …
私は医師に感謝を伝えいつも通りに診察室を後にした。
いつもと違ったこと、それは持病のアレルギー薬の他に向精神薬と書かれた薬が追加されていたこと!
そしてその薬、バランス5mgをその日の夜に服用し私は翌日の朝の体調の良さに驚いた。
体調はさることながら持病の腰痛や指の節々の痛みまでが全て消えていた。
私はすっかりこの薬を信じその効果に感謝し医師を今まで以上に信頼し、その後1日2錠10mgを約4カ月間飲み続けてしまった。
この薬がベンゾジアゼピン系の薬物であること、常用してはいけない薬であることを知らずに …
精神を安定させる薬、精神安定剤として処方されたベンゾジアゼピン系抗不安薬であるバランス …
この薬を飲み続けているうちに、ゆっくりと認知症のような症状が出始め、私はこの薬物に少しづつ蝕まれていった。
物を放置してしまう
頼まれごとを忘れる
何をするのか忘れてしまう
言葉がすぐに出てこない
時間配分がうまく出来ない
自分の身に起こった明らかな異変、私はこれらの症状に危機感を覚え、その違和感を内科医に相談した。
「それではバランスはもう止めましょう!」
症状に対する返答も薬に対する詳しい説明もなく、この一言で処方は強引に止められバランスの一気断薬となった。
そしてこの 一気断薬がその後の私に降りかかった拷問とも言える生き地獄の始まりだった。
何も知らなかった …
ベンゾジアゼピン系薬剤の一気断薬が原因でもがき苦しんでいる人達が大勢いることを!