減薬、断薬に必要な考え方

ベンゾジアゼピンの断薬とは薬物を自分の身体の中から抜くことではない。

 

 

ベンゾジアゼピンによりダメージを受けてしまった脳を、ベンゾを飲む前の状態まで回復させることである。

 

 

私はこの考え方に納得し教訓とし辛い減薬生活の目標にした。

 

 

この考え方は、アシュトンマニュアルと断薬経験者の貴重な情報から学んだことであり主治医から学んだことではない。

 

 

急がず忍耐強く、少しづつ、少しづつ …

 

 

完全断薬を目指し微量での減薬を積み重ねていった。

 

 

あの一気断薬後の生き地獄が再燃したら耐えられる自信はない。

 

 

高力価のリボトリールの頓服使用、急減薬で現れた逃げ道の見えない拷問のような精神と身体の異常 …

 

 

思い返すと急に減らすことなど恐ろしくて出来ないのである。

 

 

ベンゾに占領されてしまった脳の機能はベンゾを減らすことで本来の機能を取り戻す。

 

 

微量で減らす → 脳が回復する

 

 

回復したらまた微量で減らし脳の回復を待つ!この繰り返しである。

 

 

脳の回復のスピードは個人差が大きく、速く回復する人がいる一方で、回復に長い何月がかかる人がいる。

 

 

自分は回復が速い人なのか、自分は回復が遅い人なのか?

 

 

それは誰にも解らない、自分自身にしか探れない。

 

 

回復が遅い人が急減薬や一気断薬をしてしまえば想像を絶する地獄を経験することになる。

 

 

ベンゾに支配された脳はベンゾの供給が急に止まると支えをなくし減ってしまったGABA受容体はすぐには元に戻らない。

 

 

そして時に反跳現象や離脱症状を引き起こす。

 

 

睡眠薬の場合は絶不眠

抗不安薬の場合は錯乱やパニック発作

てんかん薬の場合は痙攣発作

 

 

反跳現象とは薬を減薬断薬した際に現れることがある原疾患の再発、再燃のことでありリバウンド現象とも呼ばれている。

 

 

薬の効果と逆の症状が強く現れてしまう現象とも言える。

 

 

例えば、不眠の解消に服用している睡眠薬を眠れるようになったからと勘違いして一気に止めてしまえば元々の不眠よりも酷い絶不眠になってしまう場合がある。

 

 

ベンゾジアゼピン系薬剤も例外ではなく、薬で抑えられていた症状が飲む前よりも重症化する場合がとても多い。

 

 

これは全ての精神薬の服用が対症療法でしかないことを物語っている。

 

 

何年飲んでも治す薬ではないということだ!

 

 

精神薬の離脱症状は更に複雑で、ベンゾジアゼピンを含む全ての精神薬は服用を始めたら最後、簡単に止められる薬剤ではない。

 

 

そして反跳現象や離脱症状は一気断薬で劇症型になる場合がある。

 

 

薬を飲むのを止める=断薬ではない

 

 

減薬=脳の回復と考えた時、年単位で減薬する必要性が見えてくる。

 

 

多種多様な離脱症状は微量減薬で最小限に抑えることが出来る。

 

 

私は自分の経験によりそう確信している。