精神薬、置換と力価と半減期

ベンゾジアゼピン系薬剤には多くの種類があり作用する仕組みや強さ、効果の持続時間などに大きな違いがある。

 

 

ベンゾジアゼピンの置換とは半減期の短いベンゾを半減期の比較的長いベンゾに置き換えて減薬をスムーズに進める為の方法という事になる。

 

 

アシュトンマニュアルでは、睡眠薬などの半減期の短いベンゾを減薬する場合に一旦ジアゼパム(セルシンなど)に置き換えて減薬を進めることを推奨している。

 

 

半減期の長いベンゾの方が薬の切れ間に出る離脱症状を極力抑えながら減らすことが出来るであろうとの考え方が基本となっているようだ。

 

 

ジアゼパムが置換に適しているのか?

そもそもベンゾの置換が本当に必要か?

 

 

個人差が大きすぎて誰にも正解は解らない。

 

 

それでもベンゾの置換を選択した場合薬の力価が重要となる。

 

 

力価とは薬の強さのことで、薬を置き換える時に力価を同じにする必要がある。

 

 

例えばてんかん薬のランドセンは抗不安薬のリーゼより約40倍強いベンゾであり実質ランドセンをリーゼに置き換えることは現実的ではない。

 

 

又、てんかん薬を抗不安薬に置き換えることにも疑問が残る。

 

 

ベンゾはどれでも同じではない。

 

 

力価を合わせれば良いというものでもない。

 

 

ベンゾの置換は多剤になるリスクもはらんでいる。

 

 

医師に薬を止めたい 旨を伝えると最悪一気断薬させられる。

 

 

一気断薬にはならなくても殆ど医師が急減薬を指示してくる。

 

 

精神科のホームページ、YouTubeやブログなどで減薬方法を得意げに発信している医療関係者、これらの情報を鵜呑みにしてはいけない。

 

 

情報の取捨選択を間違えると精神薬の場合命に関わると言っても過言ではない。

 

 

情報を見抜く力を身につけなければ自分を守れない。

 

 

ベンゾの安易な置換、半減期や力価を無視した処方で苦しんでいる人が大勢いる。

 

 

ベンゾの減薬に協力してくれる医師などいないと思った方が良いのかも知れない。